非正規対策が女性活躍推進の肝
北摂ブロックは、2月22日、ホテル阪急エキスポパークで、自治研究会円卓会議を開きました。円卓会議は、毎年開かれており、北摂各自治体から首長や総務部長が一同に会し、自治労大阪府本部、北摂ブロック各単組と意見交換をしています。会議では、地方自治総合研究所の上林研究員が女性活躍社会にむけての自治体施策のあり方のテーマで講演しました。上林さんは、女性活躍方針計画の肝は、女性非正規労働者対策と公務の率先垂範であると前置きし「自治体は、地域の雇用・労働を改善する責務がある。また、女性非正規公務員を数多く採用しているという使用者としての責任がある」と述べ、非正規職員の待遇改善が急務の課題だと説明しました。
府内のある自治体では、職員全体のうち非正規職員が53%という驚くべき現状です。また、府内では女性の非正規職員の割合が、80%を超えているところも数多くあります。上林さんは「大阪に限らず、大半の自治体は女性の非正規職員にたよっている状況」とし、賃金労働条件をはじめとしたワークルールの整備が必要と強調しました。
日本の女性の就業形態の傾向として、結婚・出産・子育て期に退職する人が多い現状です。年齢別のグラフを見てもM字カーブを描いており、古くからの日本の雇用システムの弊害といえます。一方で、この年代の女性も働きたいという意欲はとても強く、現状では、再び正規労働者として働くことが難しい状況です。日本の雇用システムでは、一旦退職すると再び正規職員としての就業がしにくい環境となっています。現在、日本の就業者数の約4割が非正規労働者です。また、女性労働者の57%は非正規労働者という現状となっています。30年前に比べると、約25%も非正規率が上昇しています。この現状に上林さんは「30年間で雇用は増えたが、結局は非正規の仕事ばかりだ」と指摘しています。
女性活躍推進法では、自治体も特定事業主として行動計画を策定しなければなりません。各自治体では、担当部局の設置も求められます。国が策定した基本方針で、列挙する具体施策として、非正規労働者の処遇改善推進施策や正社員への転換支援などが盛り込まれています。「女性の非正規公務員の処遇を改善し、雇用を安定させることは、公共サービスの質量改善につながる」と上林さんは解説しています。
あいさつした濱田高槻市長(北摂市長会会長)は「女性活躍の推進が求められている。役所が見本となりモデルを示していきたい」と述べました。