HOME > 政策・提言・見解 > 自治労大阪見解 > 橋下大阪市長の辞職に伴う「出直し市長選挙」出馬表明に対する抗議声明
自治労大阪府本部は、2月5日、橋下大阪市長の辞職に伴う「出直し市長選挙」出馬表明に対する抗議声明を、府本部第5回執行委員会で確認しました。
以下、声明の全文です。
橋下徹大阪維新の会代表は2月3日、松井一郎大阪維新の会幹事長とともに共同記者会見を行い、大阪市長辞職し、「出直し市長選挙」出馬することを表明しました。
橋下氏は、1月31日に開催された第13回協議会において、区割り案の採決による絞り込みが、大阪維新の会以外の会派の委員の反対により否決されたため、秋の住民投票や来年度からの「大阪都」への移行が困難となり「『大阪都構想』が潰された」として、改めて「民意」を問うために大阪市長を辞任し、自ら出直し選挙に出馬するとしています。
しかし、自民、公明、民主系、共産の各会派の委員は、現時点での区割りの絞り込みは時期尚早として反対したのであり、法定協議会の議論には誠実に臨んでいました。事実、財政シミュレーションの課題を含め、パッケージ案で示された「大阪都構想」の制度設計の検討、検証は十分に尽くされたとは言い難い状況です。
加えて総務省は、第30次地方制度調査会の大都市制度改革に関する答申を踏まえ、地方自治法の改正案の概要を明らかにしており、こうした情勢を踏まえるなら、大阪府市の行政機構のあり方をめぐる議論は、拙速を避け、より幅広い見地から豊富化されることが求められていました。
そもそも本年秋の住民投票の実施や来年度からの「大阪都」への移行は橋下氏が代表を務める大阪維新の会のみが実現をめざすスケジュールであり、自らが決めた政治日程優先で議論を打ち切り、反対されると「出直し選挙」で「民意」を問うという手法は、議会制民主主義や地方自治における二元代表制を愚弄するものです。
また、「出直し選挙」を実施した場合、約6億円の経費が必要といわれており、財政難の中での大変な税金の無駄遣いと言わざるをえません。さらに2014年度予算を審議する大阪市会の最も重要な時期に選挙が執行されることは、市民生活に甚大な影響を与えるものであり、大阪市民に対する大阪市長としての最も重大な責任を放棄するものです。
今回の突然の「出直し選挙」には大義はなく、議会制民主主義や住民自治を否定する橋下氏の暴挙を容認することはできません。
自治労大阪府本部は、連合大阪に結集し、民主党大阪府連と連携しつつ、今後の動向を見極めながら必要な対応を行っていくこととします。
2014年2月5日
自治労大阪府本部