自治労青年部女性部は、7日から9日まで「2024自治労青年女性オキナワ平和の旅」を行い、32道府県本部167人が参加しました。沖縄県本部協力のもと、琉球王朝から現在に至る歴史や先の大戦において住民を巻き込んだ過酷な地上戦が行われた様子、今なおアメリカ軍の基地があることで抱えている課題などについて学びました。
7日、開会に先立ち、青年部長より、「11月28日付本部の発文でハラスメント防止の観点から来年1月から8月末まで本部主催会議・集会における2次会を禁止する、とあるが青年部女性部としては、この平和の旅から適応する」という旨の宣言がありました。
その後、玉城デニー沖縄県知事からのメッセージが読まれ、自治労石垣市職労組合員による基調講演「八重山諸島の太平洋戦争と現状について」がありました。太平洋戦争下において、石垣島は地上戦こそなかったものの格納庫と弾薬庫があったため、激しい空襲にあいました。付近の住民は不衛生な地域への避難を強いられマラリアが蔓延し、多くの犠牲者が出ました。現在も、八重山諸島での戦争は「戦争マラリア」として語り継がれています。近年の状況として、台湾有事に備え、石垣港が「特定利用港湾」に指定されたことにより、他国からの攻撃を想定し、住民を避難させる訓練が行われているとのことです。
また、沖縄県本部青年部からは琉球王朝時代から現在に至る、沖縄の歴史と置かれてきた状況についての報告がありました。平時に於いては公共サービスに従事している我々が、戦争が起これば、公務として戦争の手助けすることになる。絶対に戦争を起こしてはいけないと語気を強めました。その後、対馬丸記念館を見学し、一日目の行程は終了しました。
二日目は4台のバスに分かれ、辺野古の新基地建設にむけた埋め立て工事現場を大浦湾から見学しました。埋め立てに使用している土砂は地上戦が行われた沖縄県南部の土壌であり、戦没者の遺骨が混じる恐れがあるため、県民の間では基地に賛成・反対以前の人道上の問題であると訴える声が大きいとのことでした。その後、嘉数高台から普天間飛行場を視察し、現地ガイドと共にひめゆり学徒隊が活動したアブチラガマに入り、沖縄戦で亡くなった方々の名を刻んだ平和の礎や、ひめゆり平和祈念資料館を見学しました。バスでの移動中も含め、沖縄県本部青年部が休日にもかかわらずガイドを務めてくれました。
三日目は、九州沖縄平和教育研究所の代表による講演「歴史の事実が証明!武力で平和はつくれない!―軍事安保より生活安保の声を職場・地域から―」がありました。小学校の教員と日教組の役員を長く勤めた代表は、「平和なくして労働者の安定はなし、というが、その逆もしかり。他の労働組合との学習会や交流の場を持ち、一人を守りきれる組合作りに繋げて欲しい」と呼びかけました。
三日間の行程を終え、参加者は「学習し、感じた戦争の悲惨さを単組に持ち帰り、あらためて平和の大切さを伝えていきたい」と語りました。
自治労青年部・女性部は、太平洋戦争の開戦日である12月8日に合わせ、毎年オキナワ平和の旅を行っています。