府本部は10月20日、ユニオンカレッジ第9講「自治研活動」を開き、各単組から受講生17人が参加しました。
島根県本部松江市職員ユニオンの前書記長、財政部長を講師として招き、参加者は講演をとおして賃金・労働条件の改善だけでなく、住民に喜ばれる仕事、市民から信頼される仕事をしていかなければ、質の高い公共サービスを提供することはできないという、自治労運動の大きな柱である自治研活動について学びました。
松江市にある「旧田野医院」は日本最初期の病院建築遺構であり島根県最古の擬洋風建築ですが、老朽化等により所有者が解体の意思を示したことから、2014年に市が文化財指定し建造物の寄付を受けました。
しかし活用方針が出せず、耐震性などの安全面の問題から一般公開されることなく最低限の維持管理のみを行う、遊休文化財となっていました。
2018年、担当部署に配属された組合員は、市の大切な資源を市民ボランティアで守ることができないかと考え、組合に相談。組合広報紙を使って清掃活動ボランティアを呼びかけたところ、20人以上の応募があり、清掃活動はもとより活用方法の提言も得ることができました。提言をもとに担当部署と有志組合員によるボランティア企画が実現しました。
2020年、市民も巻き込んで清掃活動だけでなく、歴史的建造物内でランチ&写真撮影会を行う市民サークル「れきまちファンクラブ」が発足しました。フリーペーパー発行や和服を着てまち歩き、リノベーション古民家宿泊体験など、市民と協働で松江市の魅力を発見・発信する活動は現在も継続されています。
さらに興味深い取り組みも紹介されました。近年の人事評価制度と賃金反映の課題や、若年層のキャリア意識にどう対応するかを考察するなかで、これからの職員満足度を向上させるためには好奇心や興味、達成感などの内発的動機を広げることが重要であり、「ありたい自分の姿」を意識させ将来像を考えさせるキャリア支援ツールとして「公務員人生ゲーム」を独自に作成したこと、このゲームを新入組合員学習会で実施し、ゲーム内で発生する様々なイベントを通じて公務員人生を疑似体験し自分だけの理想のキャリアを考えさせることと併せて、労働組合の役割や助け合いの必要性について学ぶ機会を設けています。
これからもユニオンカレッジでは、自身が働きやすい環境を実現するため、労働組合が果たす意義や役割について理解を深める場としていきます。2023年度最後となる第10講は、11月24日から26日にかけて沖縄県で「平和学習」を開講します。