昨年の3年ぶりの参集形式での開催は、あいにくの荒天となりましたが、今年は晴天に恵まれ、約2万人の組合員が会場に集まりました。これまでコロナ禍により労働者が一堂に会した取り組み自体が制約されてきました。今回のメーデーは、感染防止と社会経済活動の両立にむけた動きが具体化するなか、連合に結集し働く者の権利を訴えることの意義や団結することの力強さ、スケール感を再確認する取り組みとなりました。
主催者あいさつを行った大阪地方メーデー実行委員長の田中宏和連合大阪会長は、世界情勢の不安定化と長引くコロナ禍の状況にふれ「目の前の危機と構造的な課題の両方に対処するために全体最適を念頭に戦略的な対応が求められている」として、「くらしをまもり、未来をつくる」をスローガンとした2023春闘をはじめとする賃上げにむけた取り組みの重要性を訴えました。
また、先月実施された「大阪ダブル選挙」「第20回統一自治体選挙」では、維新による一強政治が拡大しました。「うめきた2期工事」「大阪・関西万博」が目前に迫る一方で、貧困やコロナ対策など多くの課題を抱える大阪には「幅広い民意が反映された政策が必要」とし、持続可能で魅力ある地域づくりにむけ「働く者、生活者の声を届ける勢力を広げていかなければならない」と呼びかけました。
2月にトルコ南部で発生した大地震では、トルコ・シリアの両国合わせ5万人を超える死者が出るとともに、いまだ多くの人が避難生活を余儀なくされています。そうした状況を受け、今年のメーデーでは、CODE(海外災害援助市民センター)の吉椿雅道事務局長が登壇し、現地の現状と今後の支援などについてアピールを行いました。
また、連合大阪連帯活動委員会がメーデー祝日法制化アンケート結果の報告と4月29日の「昭和の日」から5月5日の「こどもの日」までを大型連休「太陽と緑の週」にする連合大阪の「祝日法制化」の取り組みについて提起しました。
その後、働くことを軸とする安心社会を実現するために一致団結して未来づくり春闘を強化・推進するとした「くらしをまもり、未来をつくる」特別決議、メーデースローガン、労働組合が結集し、持続可能で多様性を認め合える社会の実現をめざすとする「第94回大阪地方メーデー宣言」が採択されました。
最後に田中実行委員長の「団結ガンバロー」では、会場に結集した多くの仲間とともに、力強く拳を掲げ式典を締めくくりました。