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第22回大阪地方自治研究集会 第3分科会公共サービス職場の非常勤職員化 非常勤職員の7割が女性

府本部は2月12日に第22回大阪地方自治研究集会(第3分科会)を開き、25単組84人が対面で参加しました。第3分科会では、公共サービス職場における非常勤職員を取り巻く課題について議論を深めました。

熱く語る鬼木参議院議員

熱く語る鬼木参議院議員

講演のテーマは、「公共サービス職場の非常勤職員化と労働組合の現在」。

はじめに、講師の桃山学院大学の萩原久美子教授は、日本の公共部門の雇用割合について説明し、「2016年総務省調査では、約64万人いる非正規職員のうち女性の割合は約7割に上る。一方、2018年総務省調査では、正規職員に占める女性の割合は約4割。さらに、職種別にも偏りが見られ、自治体は男女平等の隠れ蓑に覆われた不平等な組織である」と訴えました。

また、この30年間に非正規職員の男女の割合が変わっていないことについて、「自治体が非正規雇用の女性を増やしてきた結果、30年間塩漬けの状態になっている」と強調しました。

次に、非正規化がもたらす職場や労働組合への影響について、①正規職員への負担増、②組合員の減少、③職場における正規職員の周辺化の3点を挙げ、「いまや非正規職員や女性の組織化を抜きに労働組合の組織は成り立たない」と指摘しました。保育現場の事例をもとに、「労働運動が弱まると、社会サービスの担い手の労働条件だけでなく社会の基盤が脆弱になる」と述べました。

最後に、萩原教授は、「日本の公務員労組は潜在的可能性があると思う。今一度、地域共闘の構築の中で、塩漬けになってしまった女性の雇用をどう引き上げていくのかを考えてほしい」とまとめました。

鬼木まこと参議院議員からは、会計年度任用職員の勤勉手当支給にむけた法改正についての経過報告を受けました。

鬼木議員は、「法改正の概要は、比較対象が国の非常勤職員である。私たちが求めているのは、正規職員との均衡・権衡。本来、正規職員がやるべき業務を非正規職員が担わされている。引き続き、正規職員化を求めていく」と熱く語りました。

また、会場参加者の2人からは、保育現場における業務実態や組織化の現状が報告され、萩原教授は「現場の声を政策に反映させるには、地方・国会議員との対話を増やすこと」と述べました。

鬼木議員からは、「保育だけでなく、公共サービス全体の課題だと思う。全国の仲間とも共有していく」との発言があり、議論を深めました。