府本部は、4月6日に豊中の会場と自治労大阪府本部会場をウェブで結び、初の試みとなる移動執行委員会を開きました。その後、引き続き市内で「自治体政策懇談会・市長との意見交換会」および「市長と中野執行委員長の対談」を行い、豊中市労連各単組委員長と豊中市理事者側の参加のもと、住民サービスの充実、魅力ある自治体のあり方について議論するとともに、労使双方が果たすべき役割などについて意見交換を行いました。
意見交換会で挨拶を行った豊中市労連の委員長は、「継続するべき運動と新たに取り組む運動をしっかりと見極めながら、働く者の目線や声にもとづき行動し、地域社会への視点を持ちながら、組合員が相互に理解し合い、助け合える組織づくりを進めていきたい」とし、「労使それぞれがめざす組織づくり、地域づくりへの一致点を見出していきたい」と述べました。
人口減少社会における自治体間の広域連携に対する府本部の問いかけに対し、市長は2020年から行っている府県を越えて隣り合う中核市4市(西宮市、尼崎市、豊中市、吹田市)の頭文字を並べて表現したNATS(ナッツ)の取り組みを紹介し、「事務方のボトムアップの取り組みが積み重なり、いつの間にか地球温暖化対策に関する連携協定の締結や労働相談の相互利用など具体の政策につながっている」とし、現場からの積み重ねが特色ある取り組みにつながっていると述べました。
また、医療をめぐる連携の重要性にも触れ、「この間、地域医療を守るため、採算がとれないことも覚悟で市立病院でのコロナ対応を進めてきた。民間ができないことにどれだけ税金を投入するのかは自治体の覚悟」としつつも「うちの病院はそこまでいってないが、今後、1自治体が単独、フルスペックで病院を存続させることは厳しくなるだろう」とし、広域で機能・役割を分担していくことが必要と述べました。
豊中市のコロナ対策に対する府本部の問いかけに対し、市長は、オミクロン株対策として高齢者が入所する施設へのワクチン接種を最優先に実施した例をあげるとともに、「しっかりとターゲットを絞って手を打った」ことや「保健所だけでなくチーム豊中市役所として対応にあたった」と述べました。「中核市になって10年で保健所は大きく成長した」とし、こうした経験を活かして、児童相談所の開設にも意欲を示しました。
最後にまとめを行った府本部中野委員長は「ボトムアップの組織づくりと自治体間連携により、市民が住みたいと思える市政運営を行っていただき、府内市町村をリードしてほしい」と市政へのエールを送りました。
人事交流を通した人材育成や意識改革などについて議論が行われ、柔軟でタフな自治体をつくるためボトムアップ型で自由な組織風土の自治体づくりが必要と認識が一致するなど有意義な対談となりました。
府本部はこうした豊中での取り組みをきっかけとして、各自治体での執行委員会開催、首長との意見交換会などを時宜に応じて実施するなど、引き続き地域政策実現の取り組みを強化していきます。