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あらゆる場面で女性の参画を
自治労運動を女性と男性がともに担う2021年度学習会
「仕事と生活の調和」の進化が必要

府本部は2月25日PLP会館で「自治労運動を女性と男性がともに担う2021年度学習会」を開きました。学習会にはWEB参加も含め、14単組31人が参加し、春闘期における取り組み課題とコロナ禍のなかでもう一度ワーク・ライフ・バランスというものを考えてみることを目的に大阪経済大学の森詩恵教授を招いて学習会を行いました。

学習会の様子の写真

男女平等の課題は春闘期を起点に通年闘争としてスタートする

学習会であいさつに立った中野委員長は、「雇用機会均等法が成立して昨年で35年が経過し、2003年には社会のあらゆる分野で指導的役割・地位に占める女性の30%の進出が政府目標として掲げられたが、昨年の調査では、女性の管理職は7.8%、中央省庁に至っては5%に満たない状況にある」と話しました。

また2000年にフランスで国会議員の候補者を男女同数にする、いわゆるパリテ法にも触れ
「この様な取り組みが、日本で進まない合理的な理由は見当たらず、男性であるというだけの理由で能力とは関係なしに重要なポジションに就いてきた。日本の人口比率は男女でほぼ同じであり、能力の割合も同じ」
と述べ、府本部の組合員も約半数は女性であることから、あらゆる場面での女性の参加と参画を追求すると訴えました。

基調提起を行った田中副委員長は、男女平等参画の推進にむけた具体的な取り組みについて次の説明を行いました。

森元首相の発言が大きな問題となりましたが、無意識を含む性差別的な偏見であるジェンダーバイアスや好意的性差別、固定的性別役割分業意識をなくすとともに、働き方の見直しや労働時間の短縮、仕事と出産・育児や介護などの両立にむけた職場の環境整備を整えていくのが重要であるとしました。

男女平等にかかわっては、自治労運動のすべてにかかわる課題として、とくに春闘期では両立支援の促進、職場のなかの格差是正、ハラスメントの一掃を重点課題として「男女平等の職場づくり推進チェックリスト」を活用して、要求書を作成し、交渉を進めるとした。また、女性活躍とワーク・ライフ・バランスの推進にむけ、女性活躍推進法及び次世代育成支援対策推進法にもとづく「特定(一般)事業主行動計画」が着実に実施されているかを点検し、組合員のニーズに応じた計画の充実・改善をはかるよう労使協議を進めるとしました。

森詩恵教授の写真

アフターコロナにおけるワーク・ライフ・バランスを考えると題した学習会では、森教授が講演しました。

◁ コロナ禍におけるワーク・ライフ・バランスを説明する森教授

ワーク・ライフ・バランスとは「仕事と生活の調和」であるが、日本の場合は対価のある「仕事」とそうでない「育児」「介護」「家事」との両立などとして捉えがちであり、本来の姿になりきれていないと話し、コロナ禍が進むなかにあって、ワーク・ライフ・バランスからワーク・ライフ・インテグレーションへの進化が必要だと説明しました。

ワーク・ライフ・バランスは、仕事と生活のバランスをつくるという事ですが、そういう考え方ではなくて、生活の一部に仕事があって、仕事とプライベートを一体にとらえて総合的な充実をはかるものにしなくてはなりません。

仕事と治療の両立などもそうです。そのためには多様性と柔軟性を重視し、コロナ禍で重要とされてきた場所や時間だけでなく、役割や生活領域における容易な移行を実現させることが必要と訴えました。

社会的な要因や制度の構築も重要だが、個人の心理的な要因にもサポートや支援が必要で、ワーク・ライフ・バランスというものは自分や家族でバランスをとるものではなく、組織や社会全体のなかでバランスをとることが重要です。