府本部は、6年連続の引き上げとなった人事院勧告をふまえた自治労の闘争方針を受けて、府内における2019賃金確定・秋期年末闘争を進めました。10月28日〜11月15日を統一闘争ゾーンとして位置づけ、11月14日を交渉のヤマ場に設定。11月6日の拡大闘争委員会では、重点課題や交渉の妥結基準についての認識を共有化し、単組が独自に抱える課題について確認するなどして統一闘争の体制を構築していきました。これを受けて単組は、自治労の統一基準の達成など諸課題の解決にむけて、事務折衝や交渉に臨みました。
交渉の重点課題は、①月例給と一時金の引き上げ、②4月に遡っての差額の年内精算、③地域の実態に即した住居手当の追求、④法改正の主旨をふまえた会計年度任用職員制度の確立―などで、11月26日時点では自治体・関連単組のうち21単組が月例給と一時金、住居手当について妥結しました。
今闘争においてとくに慎重な交渉が求められたのは住居手当でした。府内各単組の交渉において住居手当が引き下げられ不利益を被る組合員がいることが明らかになったことから、地域の実情に応じた改定を求めて交渉を進めました。
本来、国家公務員の住居手当を支給する家賃の下限額の引き上げは、官民格差の是正ではなく、あくまでも行政改革の一環で、削減が進んでいる公務員宿舎の使用料と民間物件の家賃との比較によるものであり、ほとんど宿舎がない地方自治体への適用は合理的とはいえません。
10月11日の総務副大臣通知「地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて」には、住居手当の改定が公務員宿舎の使用料の上昇を考慮したものであり、手当の原資配分の変更であることを示した上で、「各地方公共団体においては、国の見直しの趣旨をふまえ、地域の実情等に応じ、適切に対処すること」との一文が盛り込まれましたが、全国的にも地方公務員の住居手当は、協議の中身が原資配分に移り、国同様の改定となった自治体も多く課題となっています。