HOME > 最新情報 > 大阪市廃止・特別区設置の制度設計案を批判する
更新日:2014年3月31日
橋下・大阪維新の会は、「大阪都構想」を実現すれば、「大阪はひとつになって豊かになる」「二重行政の解消と住民サービスの充実が改革の2大ポイント」と主張しています。
はたしてそうでしょうか。それなら何ゆえ「都構想」の制度設計について議論している「法定協議会」で、橋下市長が提案した、4つの区割り案のうち5区(北区・中央区分離)案に絞り込むことに維新以外の自民・公明・民主・共産の各委員が反対したのでしょうか。
本書では、橋下市長・松井知事が提示した制度設計案の問題点を、事務分担、職員体制、税源配分・財政調整、財産・債務の継承、財政シミュレーション、都区協議会、特別区設置に伴うコストと効果などの項目ごとに検討・整理され、昨年のブックレットに引き続く「続編」としてわかりやすく説明されています。
出直し選挙で橋下市長は再選されましたが、「法定協議会」や府・市両議会で維新が過半数に満たない状況は変わりありません。今後の展開は見通せませんが、「法定協議会」での議論の場に戻らないと、橋下市長が主張している住民投票に持ち込むことはできません。
したがって、冷静に論点、疑問、問題点を整理することの、今日的意義は大きいものがあります。
本書は、大阪市廃止・分割の実態を知るための基礎情報として大いに役立ちます。
ぜひ、ご一読を。