HOME > 政策・提言・見解 > 私たちは大阪市廃止分割構想の再提案に反対します/3月28日、法定協議会再設置提案に抗議声明
自治労大阪は、2017年3月28日、法定協議会再設置提案に対する抗議声明を出して、大阪市廃止に反対する意思を表明しました。
今後は、総合区導入にむけた議論の活性化を求めるとともに、大阪市の存続と発展を求める多くの団体や個人と連携して、住民参加による慎重な検討を呼びかけるなど活動を進めていきます。
2017年3月28日
大阪市廃止分割構想の再提案に反対する
-法定協議会再設置提案に対する抗議声明-
自治労大阪府本部
松井大阪府知事と吉村大阪市長は2月24日、「大阪府・大阪市特別区設置協議会設置議案」を大阪府議会及び大阪市議会に提出しました。この議案は両議会において、継続審議となりましたが、両首長および大阪維新の会は、引き続き法定協議会再設置に向けて取り組むとしています。自治労大阪府本部は、改めて大阪市廃止・特別区への分割構想に反対の立場から、法定協議会再設置に反対することを表明します。
大阪市の廃止・特別区への分割構想は2015年5月17日、「大都市地域における特別区設置法」に基づく法的拘束力を持つものとして実施された住民投票で反対多数となり、否決されました。法定協議会の再設置は、大阪市民が選択したこの結論の転覆を2年に満たない短期間に、しかも同一の知事の下で図ろうとするもので、5.17住民投票で示された大阪市民の意思を蹂躙する暴挙と言わざるを得ません。また、前回の住民投票では32億円もの費用を要したといわれています。再度の住民投票は再び32億円もの血税を浪費するもので許されません。
吉村大阪市長は総合区制度案も同時に作成し、総合区か特別区かの選択を市民に問うとし、既に8区への合区案を区長会に示しています。しかし、大阪市の存続を前提として、都市内分権を進めるための総合区と、大阪市を廃止し多くの権限と財源を大阪府に吸収したうえで、脆弱な基礎的自治体として設置される特別区はそもそも比較対象になりません。比較されるべきは、基礎自治体として最も大きな権限と財源を有する政令市か、「不完全自治体」である特別区かです。前回の住民投票の投票用紙同様、「大阪市の廃止」という最大の争点を意図的に隠ぺいするような問題提起のあり方に対しても強く抗議します。
総合区制度は、地方制度調査会が政令市の都市内分権推進の方策として提言したものです。同時に、地制調はいわゆる「二重行政」解消の方策として、道府県から政令市への権限と財源の移譲促進や「調整会議」の設置などを提言しています。従って自治労は都市内分権推進のために総合区制度を活用することに、基本的に賛成です。しかし、総合区導入と「合区」を同時に行うかどうかは別問題です。総合区の導入に向けた制度設計議論の活性化を求めます。また「合区」問題はこの議論と切り分け、住民参加による慎重な検討を求めます。いずれも大阪市存続を前提とした制度改革課題であり、吉村市長の任期に縛られることなく熟議を尽くすことを求めます。
法定協議会の設置は継続審議となりましたが、今後の審議の行方はなお予断を許しません。前回の住民投票は、橋下市長の突然の辞職と「出直し選挙」やその後の法定協議会委員の強引な差し替え、一度否決された協定書案の不可解な「可決」など、実に「奇妙な経緯」をたどって実施されました。それだけに今後の推移について警戒心をもって注視するとともに、法定協議会再設置反対の声を引き続き発信していきます。また、大阪市廃止に反対し、その存続と発展を求める多くの団体、個人と連携し、共に活動していくことを表明します。