HOME > 政策・提言・見解 > 大阪市組合事務所退去事件判決についての声明
2014.9.10
自治労大阪府本部
大阪市労働組合連合会
自治労・大阪市労連弁護団
2014年(平成26年)9月10日午後1時30分、大阪地裁は,大阪市労連、大阪市職、大阪市従、学給労、学職労・学職組の提訴した大阪市組合事務所退去事件について判決を言い渡しました(大阪地裁平成24年(行ウ)第78号・25年(行ウ)80号・26年(行ウ)第65号)。
判決の内容は次のとおりです
理由
大阪市の本庁舎地下において、長年にわたり継続的に組合事務所が設けられ、活動拠点となってきました。日本の労使関係において、労働組合事務所提供は当然のこととして広く定着しており、正当な理由のない退去要求が違法となることは、数多くの判例及び労働委員会命令において確立しています。
組合事務所は組合活動の基本となる施設であり、使用者が退去を求める場合は、事前に充分な協議交渉が必要とされます。2011年12月の市長就任直後から、橋下市長は組合事務所を本庁舎から退去させると公言しました。これを受けて大阪市は退去を通告し、2012年4月以降の組合事務所使用許可申請を不許可としました。事務所退去の理由は組合活動に対する妨害であり、違法であることは明らかです。退去についての団体交渉は拒否されました。本訴において、大阪市は、本庁舎のスペース不足が不許可の理由であると主張しましたが、これは後日のいいわけです。
本日、大阪地裁第5民事部は、大阪市の主張を退け、組合事務所退去の違法性を明確に認定しました。組合事務所退去要求について、労働委員会に引き続き、大阪地裁においても、大阪市の違法行為が認定され、不許可処分が取り消されました。大阪市は控訴をすることなく、速やかに労働組合に対する敵対姿勢を改め、正常な労使関係を回復することを求めます。
(別紙1)事件の概要
(1)原告
※⑤学職労と⑥学職組は組合員がほぼ共通しており、ひとつの事務所を借りていた)
(2)被告
(3)請求の内容
(4)請求の根拠
組合事務所は活動の拠点であり、憲法28条からも、大阪市は原告らの組合事務所利用を尊重するべき法的義務を負っている。原告市労連、市職、市従は、1982年の現市庁舎建設以後組合事務所を使用してきた。旧庁舎当時からも既に多年にわたり利用していた。
継続的に提供していた組合事務所の退去要求については、正当な理由がなければ、不 当労働行為となる。労働基本権保障の見地からすれば、組合事務所が行政財産である市庁舎であったとしても同様である。
橋下市長は、労働組合活動を敵視し、政治活動などを理由として、2011年12月26日ころ以降原告ら組合事務所を退去させると公言していた。
2012年1月30日、大阪市は事務スペースが不足していると称して組合事務所退 去を求めてきたが、真の理由は団結権侵害にあることは橋下市長の言動から明確である。 2月20日、大阪市は原告らの使用許可申請を不許可としたが、判断に際し重要な事実の基礎を欠き、また、他事考慮によるもので、違法であるので、取消を求める。
また、原告らは事務所退去を余儀なくされたもので、国家賠償法に基づく損害賠償を請求する。
(別紙2)関係事件の結果
以上