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労使関係制度検討委員会報告
「自律的労使関係制度の措置に向けて」に関する見解

2009年12月16日
全日本自治団体労働組合

1. 本日、国家公務員制度改革基本法(「基本法」)のもと設置された労使関係制度検討委員会は、標記報告書を取りまとめ、仙谷公務員制度改革担当大臣に提出した。この間自治労は、検討委員会の労働側委員として金田前書記長を選出し、連合・公務労協とともに検討委員会への積極的な意見反映を行ってきた。

2.報告書について、自治労は、(1)公務員の争議権制約をめぐって争われた全農林警職法事件最高裁判決があたかも大前提であるかのような論立てになっていること、(2)この間一貫して急務とされてきた、国における「責任ある使用者体制の確立」という命題を正面から取り扱っていないこと、(3)公務員の勤務関係の法的性格(任用か雇用契約か)について、詳細な検討を行っていないこと、(4)消防職員等の団結権問題や、争議権について検討対象とならなかったこと、など不十分な点があると認識する。

3.また報告書は、選択肢の組み合わせとして3つのモデルケースを提起している。パターンⅠについては、労働側の意見を最大限取り入れた形になっており、その意味において評価できる。交渉制度の整備に伴う「費用」と「便益」については、基本法にも明記された課題であるが、具体的な制度設計が行われていない現段階で「定量的な分析」は不可能であり、全体として「定性的な評価」となったことについては、理解するものである。

4.以上の通り、今回の報告書は、限界があり、また個別の問題点・疑問点は散見されるものの、基本法のもとにおける検討としては、全体として十分に評価できるものであると認識する。 5.仙谷大臣は、内閣人事局の設置や事務次官の廃止ほか幹部公務員制度の見直し等を中心に、来年の通常国会に法案を提出することを視野に入れているとされる。自治労としては、これらの改革に反対するものではないが、本報告書=協約締結権の扱いをどうするのか、自公政権が閣議決定した「改革工程表」の扱いをどうするのか、等について十分に整合性を持ったものにしていくことを求める。いずれにしても、労働基本権に関しては、労使合意を尊重し、民間の労働法制に最大限近い制度とすることを求めるものである。 6.その上で、自治労として、いよいよ目の前に改革が迫りつつあることを認識し、当局と対等に交渉できるための単組の力量の強化や様々な体制づくり、新制度に向けた現場段階での意識改革などに全力で取り組んでいく所存である。

以上

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