HOME > 政策・提言・見解 > 自治労大阪見解 > 雇用問題にかかわる要請を大阪府に
自治労大阪は、派遣労働者の雇い止めや新規学卒者の内定取り消しなど一段と深刻な状況になっている雇用情勢をふまえ「緊急雇用対策等に関わる要請書」を大阪府(09年1月20日)、大阪府市長会(09年1月16日)、大阪府町村長会(09年1月20日)に提出しました。この要請書の内容は、多岐にわたります。
要請書の内容(要旨)
企業による「安易な解雇」は、もちろん許せませんが、それ以上に雇用、福祉、住宅など市民生活を守るうえで、自治体の果たす役割は極めて重要となっています。
大阪では、大阪労働局、大阪府、大阪市、堺市で「大阪緊急雇用対策本部」が立ち上げられました。今後、決定される国の補正予算などの活用で、実効ある施策の推進が強く求められています。
要請に対して大阪府の商工労働部は「現下の情勢認識は自治労大阪と同様。要請の趣旨をふまえ、緊急かつ迅速な対応、施策の実行をはかっていきたい」とし「連合大阪も参加する雇用対策会議などを通じて労働者の意見も充分に聞いていく」と話しました。
自治労大阪は、第二次補正予算に盛り込まれた「緊急雇用創出事業交付金」や「ふるさと雇用再生特別交付金」の活用など今後、各自治体での取り組みを強化していきます。
2009年1月20日
大阪府知事
橋下 徹 様
自治労大阪府本部
執行委員長 蜂谷 紀代美
厳しい財政危機の中で府民の職業生活の安定に努力されておりますことに敬意を表します。
さて、派遣労働者等の雇い止め・解雇や、新規学卒者の内定取り消しなどの問題を踏まえ、国においては雇用保険事業で1兆円規模、一般財源で1兆円規模の計2兆円に上る雇用対策が講じられると聞いております。これを受けて貴職においても、大阪労働局の呼びかけにより、大阪労働局、大阪府、大阪市、堺市で「大阪緊急雇用対策本部(本部長 大阪労働局長)」を立ち上げられたところです。
自治労大阪府本部といたしましても、自治体の労働者を組織している労働組合として、各市町村長あてに雇用、福祉、住宅に関する要請を行ってまいっておりますが、大阪府としましても、以下のように国との連携、市町村との連携を密にした施策を実施していただきますよう要請します。
記
1 大阪府は、大阪労働局による「大阪緊急雇用対策本部(本部長 大阪労働局長)」の構成組織として、労働局と連携し、緊急に実施される国の特別施策(雇用調整助成金など)を活用し、雇用維持について企業に働きかけること。また、雇用、福祉、住宅などセイフティネットの取り組みを積極的に行うこと。
2 大阪府と使用者団体、労働団体による三者会議を開催し、それぞれの雇用対策を促すこと。また、基金による「数年を見通した雇用創出」については、公労使団体の協議によることが明記されていることから、三者会議の協議で具体化すること。
3 大阪府は、独自に全部局横断的な緊急雇用対策セクションを立ち上げ、三者会議の事務局を担うとともに、国の交付金に基づく基金を活用し、職を失った非正規労働者や中高年労働者を対象に雇用・就業機会を創出すること。
4 大阪府は、既存の労働行政を拡充強化すること。
ア 総合労働事務所の労働相談を通じ、解雇・雇い止め、賃金不払い等労働条件問題に適切に対応すること。
イ 安易な解雇、雇い止めをさせないためにも労働関係法令の啓発、労働教育を強化すること。
ウ 大阪しごと館と市町村における地域就労支援事業を活用し、地域の就労支援を強化すること
エ 総合労働事務所において、地域労働ネットワークを活用し、市町村と連携、再就職支援事業などを実施すること。
オ 企業に対して、障害者の雇用拡大や条件整備、特例子会社の設立などを働きかけること。
カ 府立公共職業技術専門校において、離職者に対する職業訓練を充実、強化すること。なお、北大阪校の建設着手を急ぐこと。
5 障害者の法定雇用率を満たしていない企業に対して、大阪府の指名競争入札から除外するなど、強い対応をとるとともに、障害者雇用を推進すること。
清掃や警備など人的委託入札に関しては、総合評価入札を拡充し、適正賃金の支払いなど労働条件に関する問題についても加点対象にすること。
以 上