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財政縮小時代における行政経営・多治見(岐阜県)モデル

大阪地方自治研究センター 行財政システム改革研究会

多治見モデルとは何か

 多治見モデルとは何か。ひとことでいえば、実現可能性を持った「総合計画づくり」を行政経営の根幹に据えて、いいかえれば「政策主導」によって、行政活動全体をコントロールしようとする手法の確立にあります。

 それに加えて、総合計画の実現を効果的、効率的に推進するために、「行政改革」あるいは「組織改革」と、それを支える「人材育成」を一体とした改革プログラムをいいます。多治見の言葉でいえば、「三位一体改革」と呼称していますが、これが多治見モデルです。

 自治体では、相当の費用・時間をかけて、分厚い冊子の総合計画がつくられますが、つくった後は棚に飾られて終わるが多いのではないでしょうか。全体に目を通したのは担当者か校正した人だけで、他の職員は自分の担当するところを斜め読みするだけで、全体を読んでいるのは誰もいないのが実態です。そういう総合計画づくりでは意味はありません。総合計画に記載された各事業が具体的に実現できるような、実行力を持った、自治体全体の行動指針となる総合計画づくりを行政経営の基軸にすえなければなりません。さらに、それを支え、推進するために総合計画に行政改革・組織改革…現在、府内各市で取り組まれている集中改革プランがこの改革です…が組み込まれ、加えて、人事評価を基礎とした人材育成計画とリンクされていなければなりません。この三つが一体になっていないと、財政が厳しい時代の行政経営は成り立ちません。多治見市はこうした問題意識を明確にして、それに挑戦し、それに対応する内部システムを確立しました。これを「多治見モデル」と位置づけたいと思います。

 では多治見モデルはどのようにして始まったのでしょうか。

スタートは「財政緊急事態宣言」から(1996年)

 西寺雅也さんが市長に就任されたのが1995年、初当選して2年目に、市長は「財政緊急事態宣言」を発して、そこから多治見の改革が始まりました。それは「右肩下がり」の環境変化ヘの対応を志向したものでした。かつての右肩上がりの時代は、毎年、経済が成長して国・地方の税収が増え、財政規模も拡大することで事業が増え、それにともない職員機構も膨らんできました。これが、1960年代、70年代の高度経済成長期と、それに続くバブル経済期に経験してきた、自治体経営の基本的な傾向でした。

 ところが、1990年代バブル経済が崩壊して税収が毎年下がってきました。右肩下がりの時代の到来ですが、時間の経過とともに財政規模は縮小してきます。当然のことながら、それに見合って、政策・人員に係る歳出も圧縮していかざるを得ません。当時の資料を分析すると、財政規模の下降線は右下方向にむいていますが、それ以上の下向きの角度で下降線が引かれています。これは、財政縮小に見合う歳出削減以上の圧縮が必要なことを示しています。

 これは、低成長経済への移行と国・地方の財政悪化による構造的な財政縮小の一方で、少子・高齢化の進展などによる財政需要が確実に増嵩していくことへの対処を示しています。かつては、地方税収が減少すれば地方交付税で補てんされ、財政規模が縮小することはほとんどありませんでした…地方交付税制度創設以降、府内都市計(大阪市を除く)の財政規模がはじめて前年度割れしたのは、1990年代後半でした・・・。しかし、現在、国の財政は、地方と同様、危機的な状況にあります。2007年度末の国の長期債務残高約607兆円(地方・約199兆円、国・地方債務残高773兆円[重複分除く])で、小泉内閣の「三位一体改革」では補助金削減とともに、5兆円余の交付税削減が行われました。

 また、好不況の経済循環によって税収も増減を繰り返すことになりますが、基調的には経済成長率(GDP伸び率)は2%程度、よくても3%程度と予測されるなかで、少子高齢化による財政需要の伸び率は、それを越えて増嵩します。こうした、経済・財政状況を前提とすれば、構造的な財政縮小に対応する歳出抑制以上に、最悪の事態を常に想定しながら、政策・事業を厳しく精査、重点化して歳出抑制を組み込んでおかないと、安定的な財政運営は困難となります。こうした資料は、右肩下がりの時代の行政経営においてどのような思考が必要かを端的に示したものだといえます。今後、地方公務員が担わねばならない財政縮小時代の行政経営はこの二つの下降線、つまり、財政規模の縮小に対応する歳出抑制と、財政需要の拡大による財源確保のための歳出抑制の二つを常に頭において経営にあたらなければならないということになります。

 多治見市の経常収支比率の推移は、1996(平成8)年、西寺さんが市長になったときは89.8%、それが、10年経過した2005(平成17)年には80.1%に下がっています。それだけ財政健全化が進んだということを示しています。財政緊急事態宣言が行われた1996(平成8)年時点で、経常収支比率は約90%でしたが、当時の財政運営を放置すれば、100%近い水準に至ったものと考えられます。多治見市は、特別な行財政能力を持った自治体ではありません。財政力指数も0.76(平成17年度)であり、大阪府内の都市平均(同年度・0.81、大阪市を除く)よりも低くなっています。ただ、危機感を持ち、どういう状況にあるのかを正確に実情を把握し、それを対して、どういう取り組みしなければならないか、方針を明確にして取り組めば経常収支比率を大きく改善することができるということです。したがって、どこの自治体もこのように財政健全化を実現できる可能性を持っています。この数字の経年変化からそのことはいえると思います。しかし、そのためには財務状況の背景にある財政運営の実態把握と、先ほど述べた右肩下がりの時代に対応して、最悪の事態を折り込みながら行政経営にのぞむ必要があります。

 では、多治見市は「財政縮小時代の行政経営」を念頭におき、財政緊急事態宣言においてどのような取り組みをしたのか、です。まず、次のように財務目標を明確に設定しました。「市債発行額を歳入総額の8%以内にとどめる」、「財政調整基金を10億円確保する」、「土地開発公社への債務負担行為の54億円を40億円以内に抑える」、「人件費、公債費を削減する」、「事務事業・受益者負担を見直す。補助金を削減する」など、ですが、これらの取り組みは、今大阪府内の自治体で働く職員が取り組んでいる集中改革プランの目標とほぼ同じ内容であり、おそらく皆さん方の自治体を含めて、多くの自治体はこの段階であろうと思います。しかし、次のステップを構想し、その段階に進まないと単なる行政のスリム化にとどまり、本当の財政健全化は達成できません。

 何より、市民には行政サービスの切り下げと職員に疲弊感をもたらすだけで、自治体の改革は持続しないということです。このことが、今日、地方公務員の皆さんに提起し、議論したい基本的なテーマです。

 多治見市では、この財務目標の設定とともに徹底した情報公開と市民参加の取り組みが行われました。情報公開制度の確立(平成9年条例制定)をはかり、財務状況の実態を市民と庁内に対して明らかにしました。もう一つは、市民参加制度をつくって、さまざまな市民委員会を立ち上げ、小学校区単位の地区懇談会を開催するなど市民参加を積極的に推進しています。ここで留意して欲しいことは「財務目標の設定」と「財務情報の公開」です。言葉でいえば当たり前の様に聞こえますが、実はこれが大変難しい。財務情報の公開も、悪化の原因を税収減などの外部要因に集約する「失敗の原因を糊塗するいいわけの情報公開」と「失敗の原因をさらけ出す情報公開」の二つがあります。後者は勇気がいると思います。しかし、これをやらないと改善の課題と目標が明確になりませんし、実現可能な「財務目標の設定」など出来ないことは自明のことです。

 こうして、多治見市では財政緊急事態宣言を契機として、財務目標の設定と市民に対する徹底した財務状況の公開を行うとともに、市民参加による行政運営をめざして改革をスタートさせたのです。

「多治見」モデルの5つの特徴

 多治見市は、財政緊急事態宣言による情報公開と市民参加から、次のステップに進んだのですが、そのステップとは、緊急事態宣言の取り組みの渦中にあった、1998年からの「第5次総合計画(2001年−2010年)」の策定です。このときの総合計画づくりが多治見モデルの中核を占めるものだと考えます。

 では、行政経営のモデルともいえる、その卓越性はどこにあったかをいいますと、次の5つの特徴点に整理できると考えます。

 第一に、徹底した市民参加・職員参加による策定手続を確立したこと。第二に、総合計画(政策)にもとづく組織編制が行われたこと、第三に、一本の計画で「基本構想」・「基本計画」・「実施計画」を統合したこと。通常、自治体の総合計画は「A4版」の何百ページもある分厚い大部の冊子ですが、多治見市の第5次総合計画の冊子は資料を含めて110ページ程度にすぎません。この中に基本構想・基本計画・実施計画がコンパクトにまとめられています。第四に、「実行計画シート」による進行管理を行い、公表していること。実行計画シートとは、実行計画(実施計画)のもとにあるそれぞれの事務事業ごとにシートが作成されており、そこには5年間の計画(目標値)と各年度の達成度が明記されています。つまり、各事業の進行管理表ですが、これはホームページで公表されています。第五に、総合計画による財政・予算編成のコントロールが行われていること。いいかえれば、財政主導の予算編成から政策主導の予算編成に転換させたことであり、この点が多治見市の改革の最大のポイントであると思います。

 以上の5点が、多治見モデルの卓越性として上げられる特徴点だと考えています。

集中と分散の意思決定システム

 経営とは、組織が成果をあげるために必要なところに、必要とされる資源を適切に配分することですが、自治体の行政経営を考える時、行政資源の合理的な配分が困難な組織だという認識をふまえるべきです。

 自治体組織を俯瞰すると、教育、福祉、保健、経済、環境、都市計画などなどの諸政策を担当し、さまざまな市民サービスを提供する事業部門(以下、事業単位という)があり、その多くが法令制度や条例にもとづいて仕事をしています。そして、各事業単位は、その行政サービスに利害関係を持つ市民、団体と相互依存関係にあります。相互依存関係とは利害関係者・団体は行政サービスに依存し、一方、事業単位は、利害関係者の要求を自らの存立根拠としているという意味です。くわえて、当然ながら、市民、団体の要求は政治的要求であり、自治体の代表機関である議会(議員)あるいは首長の支持・不支持を左右することになります。つまり、自治体組織は、政治的・多目的組織だということです。

 政治的・多目的組織である自治体は、合理的な経営の確保という観点からいえば、二つの基本的な構造的問題を抱えているといえます。

 一つは、自治体は、職員全体を統合する目標を掲げることができない組織だということです。仮に、その目標を「住民福祉の向上」といっても、職員の行動指針にはなりません。実際には、各事業単位が具体の目標を設定しているのです。例えば、福祉でいえば、高齢者介護、障害者、生活保護、子育てなど、係単位で法令制度が異なり、行政サービスの対象も内容も異なります。極端にいえば、相互に没交渉に、それぞれが目標を持ち、計画をつくって仕事をしているのです。さらにいえば、自治体は、環境保全と開発など対立する目標を持つ職場を抱えている組織です。つまり、自治体は、法令などの目的ごとに区切られ、それぞれの目標で動いている分節的組織であり、次にのべるように縦割部局主義をもたらす組織構造を持っているのです。

 なお、自治体の分節的組織構造は、長期にわたる中央集権行政のもとで、国の各省庁と自治体事業単位は政策・補助金で直結するシステムとなっていたため、いっそう強化され、縦割部局主義は自治体の組織体質というべきものとなっているといます。

 二つは、行政サービス・政策活動の成果と手段(資源配分)との関係は、あいまいで不明確であるということです。どの程度の資源を配分するかについて、誰もが納得する客観的基準は明らかにならないのです。

 第一に、政策活動の成果と資源投入量とは関数関係にはありません。行政の政策活動は、ああすれば、こうなるというような確かな予測を前提できないということです。ごみ焼却量が減少しても、それが行政活動の成果とはただちにはいえません。経済不況で事業系ごみの排出量が減った結果かもしれません。あるいは、市民の協力でリサイクル率が向上した結果かもしれないのです。

 第二に、政策の成果や目的は、政治的、価値的なもので、市民の考え方、立場によって評価が異なります。福祉の充実を評価する市民もいる一方で、ばら撒きだと批判する市民もいます。

 第三に、行政サービスの成果は単年度では現われず、長期を要するということです。つまり、手段を再構築するためのフィードバックに時間を要するのです。

 このように、政策・行政サービスの成果と手段(資源配分)の関係があいまいで、不明確であることが、多目的で、政治的な自治体組織においては、合理的な行政経営を困難にする問題構造として現れるのです。

 つまり、すでに述べたように、自治体は多目的で分節的な組織構造を持っているため、予算(資源配分)をめぐる議論は紛糾し、事業単位間で競合・対立することになります。

 予算をめぐる縦割部局主義です。各事業単位間の資源をめぐる配分過程は、利害関係政治を背景とした政治過程となります。首長が見識と強力な政治基盤をもたないときには、政治的利害関係による不合理な予算配分ないし予算の固定化も事業単位の髄所で起こることになります。このような縦割部局主義を制御するために、自治体の特異な組織体制である、事業部門と市長スタッフ部門の「二極」的な組織体制が形成されたといえます。企画が政策を方向づけ、人事・財政が人と金を統制することで制御してきたのです。

 しかし、市長スタッフの制御は、多くの場合、全庁的方針に組織・職員を統合することはできず、事業単位の前例踏襲・予算の増分主義に阻まれ、「総花予算」と「一律カット」を繰り返す「調整」に終始してきたといえます。

 つまり、予算の一件査定に象徴されるように、政策の必要性の議論ではなく、単なる財政的調整にとどまり事業部門と財政課の「相互のもたれあい」をもたらしたのです。

 しかし、財政縮小時代を迎え、政策を精査して、プライオリティをつけて実施しなければならなくなりました。一方で、地方分権のもとで、自己決定・自己責任を担える組織に脱皮することが要請されているなかで、「多治見モデル」は、合理的な管理が困難な政治的・多目的組織を制御するための行政経営システムの展望を開いたものといえます。それは、多治見市における政策・予算に関する集中と分散の意思決定システムということができます。その中核システムが、総合計画にもとづく行政経営と市民参加・職員参加です。集中の意思決定システムとは、一方で、市民参加で総合計画の策定と進行管理を行い、他方で、庁内横断組織であるワーキング・グループを組織し、全庁的視点での政策運営を組織文化、風土として定着をはかりながら、それをオーソライズする「企画調整会議」「政策会議」などの庁内意思決定手続き確立したことです。その結節点が、実行計画にない新たな政策・予算は庁内の「政策会議」と「市民懇談会」の承認がなければ、市長といえども、できない仕組みをつくったことです。こうして、利害関係政治と縦割部局主義による不合理な政策・予算の固定化あるいは恣意的な拡大を排除する仕組みを形成したのです。また、分散の意思決定システムとは、多目的組織である自治体の分節的構造を所与のものとして、事業単位の自発性と主体性を喚起するために、部局への予算枠配分による政策マネージメントの権限━実行計画事業は政策会議と市民委員会・懇談会などの承認が前提ですが━を委ね、職員配置も課配属として内部配置とグループリーダーの任命は課長の権限としています。こうして、各事業単位(職員)は、総合計画の実現という戦略目標を共有しながら、一方で、事業単位(職員)は、政策・予算のマネージメントの裁量の中で、創意工夫を反映した活動を展開する基盤づくりをしているといえます。

人材育成

 ここでは、二つのことを強調しておきたいと思います。一つは、新規採用と昇任は面接を重視していることです。ペーパーテストだけで評価していません。多治見市では、新規採用の面接官に幹部職員と若手職員を入れています。課長職の昇任試験のときには、これに加えて、外部の面接官を導入しています。これは他の自治体ではあまりないと思います。要するに、人間の能力は多面的であって、ペーパーテストによる単なる知識偏重ではなく、潜在能力を含めて評価しなければなりません。自治体現場で要請されるさまざまな能力を重視しながら、選抜しようとする自覚的な取り組みだといえます。それと、あってはならない情実人事を排除するねらいも持っています。自治体の新規採用では、一次試験の後の二次試験では裁量、コネが働くことが往々にしてあります。しかし、厳しい時代を迎えて、自治体を支えるのは、最後は人であり、人材です。そのために、多治見の行政経営は、新規採用から始まっています。どのような人材を確保するかという時に、知識偏重、偏差値だけでなく、人間の多面的な能力に着目した採用や任用を行うための自覚的な取り組みが行われています。

 二つ目は、人事サイクルが人事課の所管として、ブラックボックスに入っていないということです。人事サイクルとは、採用において、人材をどう確保するか、異動・昇進において、人材をどう評価するか、この評価をふまえ、適材適所のために、人材どう活用するか。そして、足りない能力をどのように能力開発していくか、研修などがこれにあたります。これらが人事課のみの所管として、ブラックボックスに入っていないということです。

 目標管理の評価も、自治体全体の戦略目標としての総合計画から、各課の政策マトリックスに整理され、次に、政策マトリックスの各事業が実行計画シートにリンクしています。こうして、課単位の組織目標が明確になり、個々の職員の組織目標として示されることで、管理職と職員の協議で、目標管理で目標の達成度と意欲・態度の人事評価が行われることになります。評価はこのサイクルの中で行われています。自治体の政策主導型の行政経営の中で、人事政策は完全に組み込まれています。これが二点目の特徴だと思います。

 人材とはどこで育つのかが多治見市の取り組みで見えてきます。単なる研修だけで人材は育ちません。それを端的に示すものが政策形成スケジュール表です。

 総計事業を着実に推進するために、次年度の「政策形成」と当該年度の「政策実行」の年間スケジュールを作成して管理しています。実行計画の見直し作業の一環である、次年度の政策形成ヒアリングは、4月以降、企画課(実行計画・行政改革担当)、財政課、人事秘書課(定数、目標管理担当)、環境課(環境マネジメント担当)で行い、翌年度の「実行計画」の素案を策定、7月からの市長ヒアリングで実行計画を確定します。なお、市長ヒアリングでは、企画課が、部・課から提出された組織目標(実行計画をはじめ、行政改革大綱、ISO14001、市長指示事項などにもとづく目標)に関する「市長ヒアリング調査表」を集約し、この調査表と、実行計画シートをもとに、市長ヒアリングを実施しています。その後、8月の市長指示事項の確認と9月の重点施策作成と概算要求、10月予算枠配分、11月本予算要求で予算案をほぼ固め、12月から1月の助役・市長査定を経て予算案が確定されます。2月から3月に、施策・予算方針の確定をふまえ、実行計画、行政改革大綱、ISO14001、市長指示事項などの項目ごとに、組織目標を明確にすることと全庁的に情報共有するために施策マトリックスが作成、確認されます。

 その一方、現年度予算執行に際して、4月の施策マトリックスの提示を受けて、組織目標の調整確定をし、5月に個人目標を確定、9月に中間評定を経て、1月の組織目標の達成度の確認を経て、個人目標の勤務評定を行う、というサイクルで総計にもとづく政策実施と連動する形で目標管理制度が運用されています。

 大規模自治体では、このような10万都市の多治見方式が採用できるかどうかは検討の余地があるが、基礎自治体では基本的には仕事は同じであることを考えれば、原型として捉えることができるのではないでしょうか。今後は、財政縮小時代における行政経営の内部システムを組みこまなければ、自治体の存続が危うくなると考えています。

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