更新日:2017年1月20日
府本部は、2日、大阪市内で消防セミナーを開きました。セミナーには、未組織の消防職員もふくめ51人が参加しました。セミナーを通じて、消防職員の連携を深めました。セミナーでは、ハラスメントと賃金労働条件について学習し、働きやすい職場をめざし取り組むことを確認しました。
ハラスメントについて講演した交野市消防職員協議会の今出さんは「パワーハラスメントとなりうるのは相手を思いやれないことが大きな原因」と語りました。
また、消防職員の賃金労働条件について東海ブロック消防協特別幹事の倉田さんが講演しました。倉田さんは、消防職員が働きやすい環境をつくるには、労働条件などの基礎知識は絶対に必要と強調しました。そのうえ、先輩の指示が憲法や法律より上であってはならないと述べました。
消防職員だけではなく、パワハラをめぐっては、すべての労働者にとって心身への影響も含め、大きな問題となっています。消防職員は、自らの命をかけ救命活動を行う場面に遭遇します。その場面に備え、先輩による教育や指導は絶対に必要です。しかし、行き過ぎた指導によるパワハラがなくならないのが現状です。世代間で教育に対する考え方がちがうことによって発生する事案もあります。
「相手とのコミュニケーションが一番大切」と今出さん(交野市消防協議会)は語ります。「相手から認められ、相手に理解されるコミュニケーションをとることが大事である」とし「配慮しあえる関係づくりがハラスメントの終息になる」と説明しました。また、相手との信頼関係がないなかでの一方的な叱責はパワハラと受け止められることが多いとしました。
厚生労働省はパワハラの定義として以下のように報告しています。「同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」と定義しています。今出さんは「パワハラは立場の強い人には起きにくく、立場の弱い人にこそ起きやすい」と解説します。
セミナーのなかで、ある事案に対し、パワハラに該当するかそうでないかのアンケートを行いました。アンケート結果は、ほぼ半数になりました。この結果から見えることは、状況によってハラスメントと判断する線引きが難しいということです。受ける側によってとらえ方が明らかに変わってきます。
あらゆるハラスメントについて今出さんは「思いやりを持って行動すると回避できるものもある」と語りました。