HOME > 府本部の取り組み > [大阪発!地域医療と介護を考える集い]医療・介護かかりつけネットワークが大切
更新日:2016年12月6日
「今は元気でも人は最期は必ず倒れる。今から生活環境に医療・介護など、かかりつけネットワークを作ることが大切」と、講演した櫃本真聿さん(四国医療産業研究所所長)は強調しています。「元気やでプロジェクト」(別途解説)は、11月20日に大阪市内で「大阪発!地域医療と介護を考える集い」を開きました。この集いには150人を超える参加があり、組合員だけでなく、多数の市民からも参加がありました。「地域包括ケア」について櫃本さんは、いかにして元気な高齢者を引き出すかが重要と説明。「高齢者が『ありがとう』と言われる場づくりが大事だ」とし、地域との接点を持つことが求められると強調しました
この集いでは、地域における医療と介護の連携を主なテーマとしました。日本は、世界でどこの国も経験したことのない、少子高齢社会に入っていきます。65歳以上の高齢者人口は、3392万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は26・7%となりました。「重要な社会資源として元気高齢者の育成支援が求められる」と櫃本さんは訴えます。高齢化は、今後10年間で大・中都市圏を中心にすごい勢いで増えます。2025年の75歳人口については、大阪府で今の1・8倍になると予測されています。「少子化の流れがとまらないなかで、日本を支えるのは高齢者しかいない」。一方で、行政や医療介護、社会保障制度に依存する国民性が落とし穴だと説明しています。「住民は医療に頼り切っているため医療崩壊が起こっている」と櫃本さんは警鐘をならしています。
高齢化社会の波は現実問題として避けることができません。これをどう活かしていくか、今後の日本を大きく成長させるカギとなります。高齢者のモチベーションを保つ環境づくりに行政・地域・個々人で考える時代にきています。「長生きしてよかったと思える地域づくりをめざし、長生きが迷惑にならない社会を築かないといけない」と櫃本さんは述べています。
あいさつした濱本さん(元気やでプロジェクト会長)は、「定年から40年たっても暮らしていけるような地域モデルはもうどこの国にもない。私たち自身が考え、運動を起こしていかなければいけない」と、かつて自治労が取り組んだ数々の社会運動をもう一度起こす必要があると述べました。
自治労大阪府本部では、衛生医療評・社会福祉評・公共サービス評の3評議会が連携し、「10年たっても元気やでプロジェクト」(元気やでプロジェクト)を立ち上げました。このプロジェクトには、労働組合だけではなく、医療関係者、介護施設関係者などにも参加を呼びかけ、幅広い議論ができるよう取り組んでいきます。
医療・介護・保健の現場で働く労働者が、課題共有をはかり地域で連携すること、また特に子どもたちがおかれている状況を知り、子ども支援を行っている団体等の取り組みを共有することを目的にフィールドワークを実施しながら、地域住民が支え合い、生活の質を維持・向上させるさまざまな取り組みを知り、広く社会に対し発信するプロジェクトです。