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更新日:2016年1月8日

中労委認定
職員アンケート 二審も違法
チェックオフ廃止も「不当」

 16日、大阪高裁は、労働組合や政治活動への関与を全職員に尋ねた大阪市アンケート強制事件の控訴審で、団結権の侵害などの影響は大きいと断罪。1審から損害賠償額を増額する判決を言い渡しました。また、同月9日には、中央労働委員会がチェックオフ廃止通告は不当労働行為であると明確に判断。大阪市が今後も便宜供与について不当労働行為をするおそれがあるとして、不当労働行為を繰り返さないよう誓約する文書の手交を命じる救済命令を交付しました。

 二審では、アンケート調査は第三者調査チームが行ったもので大阪市は責任を負わないと主張。判決では、大阪市の主張を退けたうえ、地裁判決で認めなかった政治活動の自由に対する侵害を認めました。一方で、高裁は野村修也弁護士の行為についてその違法性及び過失を認めましたが、公務員に個人責任はないとして賠償責任を否定しました。声明では、この点にふれ、野村弁護士への高裁判断に疑問を呈しています。

中労委
誓約文書の手交命じる

 チェックオフ廃止事件は、大阪府労委に引き続き、中労委も、大阪市の主張を退け、組合側の申立てを全面的に認めた形です。また、中労委は、労使関係条例12条にかかわらず、チェックオフの再開、その他便宜供与について大阪市の誠実対応を求めています。中労委の命令を受け、大阪市は、14日、大阪市労連・大阪市従・大阪市学職労・大阪市学給労に対し、不当労働行為を繰り返さない旨の誓約文書を手交しました。一連の判決を受け、今後の大阪市の対応が注目されます。

 地方公共団体がこれほど多数の違法行為の認定を受けるというのは大変異常な事態です。声明では、大阪市に対し、14件もの多数の違法判断を受けたことを真摯に受け止め、無意味な争いを止め、労使関係の正常化をはかるべきと強調しています。

 橋下市長は2011年12月の就任以来、強制アンケート、組合事務所退去通告、天引き廃止、団交拒否、労使関係条例の制定など相次ぐ不当な攻撃によって労働組合の弱体化をはかってきました。橋下市長の職員・労働組合攻撃に対し、大阪市労連及び関係労働組合は、労働委員会に対する不当労働行為救済申立、そして裁判所に対する訴訟提起により反撃してきました。その結果、全事件で大阪市の違法行為が認められました。

労使関係の正常化を速やかにはかるべきと述べる黒田市労連書記長(写真中央)

労使関係の正常化を速やかにはかるべきと述べる黒田市労連書記長(写真中央)

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