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更新日:2015年9月2日

徹底したポピュリズム政治
橋下政治の手法に警戒心

 8月6日、自治労大阪および大阪地方自治研究センターは、大阪市内で「住民投票をふまえて考える、日本と大阪の政治の課題」をテーマに政策学習会を開きました。講演には、現代日本政治、政党政治の研究者・中北浩爾さん(一橋大学教授)を講師に招き、ポピュリズムの台頭に直面しているとも言える日本と大阪の政治の針路を詳しく解説。中北教授は、橋下政治と小泉政治を比較し「橋下氏は小泉氏よりも徹底したポピュリズムである」と述べ、橋下政治の手法に対する警戒心を示しました。

 5月に執行された大阪市廃止、特別区設置の是非を問う住民投票は「反対」多数となり、大阪市の廃止は阻止されました。また、この結果をふまえ、橋下市長は次期市長選挙には立候補せず、政界を引退すると表明しています。しかし、賛否の差は極めて僅差であり、議会では、大阪維新の会がなお大きな勢力を有しています。大阪の政治は、11月22日に執行される大阪府知事、大阪市長ダブル選挙を軸に、再び大きなヤマ場を迎えようとしています。「大阪会議」では、運営をめぐって対立が深まっています。現状をふまえ中北教授は「大阪という巨大都市をどのように発展させるのか模索する必要がある」と述べ、大阪の持ち味を活かし、30年後の将来を意識した都市を形成することが大切と語りました。

コアな支持者がより結束

 一方、安倍政権は「安保関連法案」を「違憲」とする識者の見解や広がりを見せる国民の反対の声を完全に無視しており、参院での強行成立をにおわせています。また、この過程で日本維新の党のいわゆる「大阪派」は、安倍政権の補完勢力化を強めています。この状況に中北教授は「違った意味の保守色を強めることによりコアな支持者をより結束するよう仕向けている」と述べました。一方、データから分析すると自民党の基盤は弱まっていることを指摘し「献金や党員数は激減している」と解説しました。

 しかし、現在衆議院では与党で3分の2を占める状態が続いています。2014年総選挙では、投票率が59・3%と過去最低を記録。このことにふれ「現在の安倍政権の強さは、野党の分裂と自公両党の基礎票の多さがある」と述べ、野党が分裂した状態では小選挙区制では厳しいたたかいが続くと指摘しました。

 あいさつした山口自治労大阪副委員長はW選を控え混沌とした状況が未だ続いていることにふれ「11・22はどういう構図になるかはっきりしていない。我々にどういうことが求められているのか。冷静に分析する必要がある」と述べました。

大阪をどのようにして発展させるか徹底した議論が必要と語る中北教授

大阪をどのようにして発展させるか徹底した議論が必要と語る中北教授

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