HOME > 府本部の取り組み > 大阪市アンケート強制事件・大阪地裁判決:職員アンケートは団結権の侵害/橋下市長、控訴の意向示す
更新日:2015年2月16日
1月21日、大阪地裁は、労働組合や政治活動への関与を全職員に尋ねた大阪市アンケート強制事件について、大阪市及び元大阪市特別顧問野村修也氏の責任を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡しました。判決で、職員アンケートは憲法28条に保障された団結権等を侵害するものであったとしており、基本的人権である個人原告らのプライバシーの権利を侵害すると違憲判断しました。これで地裁による一連の判決が出そろい、結果、市側の「全敗」となりました。この判決を受け、橋下市長は即日控訴する意向を発表しました。
橋下市長就任以来、これまでに行った職員と労働組合に対する相次ぐ攻撃は、公務員だけではなく日本の労使関係でまれに見る悪質な不当労働行為の連続。この判決は、アンケートの強制が憲法に違反することを認定した重要な憲法判例として大きな意義があると声明で評価しています。
判決後開かれた記者会見で黒田大阪市労連書記長は「何度も繰り返しになるが、判決を重く受け止めていただき、一日でも早く正常な労使関係を構築することを求める」と訴えました。
橋下市長は就任以来労働組合にかけてきた攻撃が、違憲・違法であることを司法が認定した意味は重大。地方公務員も思想信条の自由、政治活動の自由、プライバシーの権利、団結権を有しています。労働組合は、労使対等の交渉を可能にするため、憲法と労働組合法で保護された社会の重要なインフラです。コンプライアンスの徹底をはかるべき地方自治体が労働組合法を無視し、違反を重ねていることは異常な状態である。
北本弁護士は、市長の手法は司法の場で否定されていることを挙げ「労働委員会も含め、すべて組合側の勝利となっている。はっきりしていることは、強権的な手法は否定されている。判決をしっかり受け止めるべき」と市側の対応を断じました。
職員アンケートで中央労働委員会は、昨年6月、不当労働行為を認定。橋下市長は不服として行政訴訟に訴える意向を示していたが、議会の否決により断念。市長は、大阪市労連に対し、再発防止の誓約書を手交し深々と頭を下げ謝罪しました。しかしその後も市側からの歩み寄りはみられません。
地裁に訴えていた一連の事件は、すべて高裁の判断を仰ぐ結果となり、府本部は、大阪市労連、弁護団とともに「通常の組合活動」ができる労使関係を構築すべく、たたかいを進めていきます。