HOME > 府本部の取り組み > 大阪市職員アンケート調査問題
更新日:2014年7月9日
6月27日、中央労働委員会(中労委)は、大阪市の橋下徹市長の要請にもとづき、市の第三者調査チームが職員3万人余りを対象に実施した労働組合活動や政治活動に関するアンケート調査について、大阪府労働委員会(府労委)からの命令よりさらにふみこんだ内容となる「組合アンケートは組合弱体化を意図したものであり、労働組合法に違反する支配介入である」として市の不当労働行為が認定されました。また、中労委は、府労委命令と同様に、不当労働行為を繰り返さないことを誓約する文書を組合側に提出することを命令しました。
27日、大阪市内で会見した大阪市労連(以下市労連)弁護団事務局長北本修二弁護士は「中労委が迅速に命令を出したことに意義がある。府労委命令よりふみこんだ内容となったことは大変評価できる」と述べました。
橋下市長就任後に大阪市は、府労委から7件について不当労働行為と認定され、中労委の判断はこの案件が初めてとなります。橋下市長は、アンケート問題に関し、昨年3月に府労委からの命令が出された際は「大変申し訳なく思っている」と記者会見で述べ、不服申し立てを行わないと表明しました。しかし、市労連の記者会見後には、一転、中労委に再審査を申し立てた経過があります。大阪市は、中労委命令の取り消しを求めた行政訴訟を30日以内に起こすことが可能です。また、市側は一部報道で「遺憾であり詳細を検証した上で今後の対応を考える」としており、一連の市の対応が注目されます。しかしこうした対応に対し、北本弁護士は「仮に行政訴訟という手段を使っても結果は変わらないのではないか。それよりも一刻も早い、話し合いの場を持つことが大事である」と述べました。
今回の案件で、大阪市の主張は、本アンケートは第三者による調査で市は責任を負わない、というものでした。しかし、アンケート実施時には、市長直筆の署名入りで懲戒処分を以て回答を強制しておきながら、市側は当局が主導して行ったものではない、という主張を展開しました。労働組合は、労働組合法7条により、使用者が労働組合の弱体化を図る支配介入などを不当労働行為として禁止しています。
自治労大阪および市労連は大阪市に対し、直ちに命令を履行すること、そして、労働組合法を遵守し、労働組合に対する敵視と不当労働行為を止め、労使対等かつ正常な労使関係に回復することを求めると見解を示しました。