更新日:2014年6月3日
5月23日・24日に自治労大阪は、「改めて大阪市解体の是非を問う」をメインテーマとする大阪自治研究集会を大阪市内で開催しました。記念講演には、昨年9月に堺市長に再選した竹山修身さんを招き、「自由・自治都市 堺の挑戦」のタイトルで講演し、「結」の精神が地方自治の原点であり、皆で助け合うことが非常に大切であると訴えました。また、大阪「都」構想を巡る情勢報告として、大阪市会議員の長尾秀樹さん(法定協議会委員)を招き、都構想は破たん状態にあることを全体化し、今後の方向性について説明をしました。
記念講演では、昨年9月の堺市長選挙でのたたかいについて「堺という自治都市を守るために必死であった」と振り返りました。また、堺の歴史を紐解きながら、市町村がしっかりとすることが基本の「キ」と訴え「市民の怒りが行政を動かす。堺という歴史都市をつぶすとはもってのほかであると市民も感じたのではないか。これまで長年築きあげてきたものを壊されれば、ご先祖様に申し訳が立たない」と述べました。
今、地方自治体は、初めて経験している「人口減少社会」のなかで、いかにして持続可能な地域社会と自治を再生・維持するのかという課題に直面しています。近年、基礎自治体の強化がうたわれているなかで、大阪市の解体について議論されています。大阪「都」構想を巡る情勢について講演した長尾議員は「まずは、地に足のついた府市の協力体制を構築するのが先決」と強く訴えました。大阪府市で開催している法定協議会では、委員の判断により、大阪都構想は時期尚早と判断しました。大阪都構想は現大阪市長と大阪維新の会の看板政策であるが、提示する案の破綻は明らかになっています。仮に都構想が実現した場合、実質、大阪府への大阪市の吸収合併となり、大阪市民の自治権が縮小することになります。また、特別区はコスト高になり、市民の負担が増えることは明らかになっています。
二日目の分科会では、初日に行われた基調提案や記念講演などをふまえ、6分科会が設置され、各分科会では、課題ごとに問題点や実際の活動報告があり、参加者は、それぞれの課題に対する理解を深め、活発に討論しました。
全体会であいさつした石子自治労大阪執行委員長は「自治研集会は、自治労の中核となる政策議論の場である。現場からの提言・提案を通じて、よりよい政策を発信できるよう活発な意見交換をしてほしい」と訴えました。