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更新日:2010年9月16日

未来へ希望 つないで/タイ・メソット 現地調査で思う
国際協力事業

 8月18日の深夜から23日にかけて自治労大阪は、第3期国際協力事業を検討するため、タイのメソットにあるパラミ・ラーニングセンターに事前調査団を派遣しました。調査団は、現地の状況や求められている支援の内容などを調査し、同センターを運営するFTUB(ビルマ労働組合連盟)のスタッフらとも交流を深めました。国際協力運営委員会委員長として事前調査に参加した太子町職員組合の池田貴則さんに感想を聞きました。

 バンコクまで飛行機で6時間、その後メソットまで車で約8時間かけて移動しました。翌日いささか疲れ気味で訪れたパラミ・ラーニングセンターでは、全校生徒による朝礼がはじまろうとしていました。

 移民労働者の子どもたちのための学校と聞いていましたが、これまで見てきた難民キャンプのそれとは違い、建物もしっかりしていて、タイの田舎の学校とそれほど違いはないような感じでした。しかし、教育内容は、私たちが知っている学校のカリキュラムとはかなり異なっていました。

 限られた予算とスタッフで、質的にも量的にも子どもたちに必要な教育内容を十分に提供できているとは思えませんでした。

 パラミに通う子供たちの家庭も訪問しました。お世辞にもきれいとは言えないドブ川のそばに建てられた小さな掘立小屋は最悪の居住環境で、移民労働者たちの生活の厳しさが感じられました。

 経済的な豊かさを求め、また軍政が続き政情が不安定な祖国を離れて隣国で暮らさざるを得ない状況下で、暮らし向きは楽ではないが、子どもたちの目には純粋に学ぶことへの渇望が感じられました。子どもたちのそうした思いに十分に応えきれない親たちの苦悩は、限られた滞在期間ではありましたが感じることができました。

 それにも増して、民主化の進まない祖国の現状を憂いながら、未来への希望を熱く語るパラミとその運営を担うFTUBの若いスタッフたちに、大きく心を揺り動かされた現地視察でした。(太子町職員組合 池田 貴則)

パラミラーニングセンターの小学校での朝礼

パラミラーニングセンターの小学校での朝礼

立ち退きを迫られている保育園

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