更新日:2010年6月3日
自治労大阪は21日から22日にかけて第14回大阪地方自治研究集会を開催しました。大阪地方自治研究集会は、自治体関係者、市民、学者などが集まり地方自治を巡る課題と方向性について討議し、認識の共有と理解の深化を図っていくために2年に一度自治労大阪の主催で開催しています。
集会のキーワードは「持続可能性」。21日夜には、推進される地方分権の動向、直面する自治体の財政危機や環境政策などの課題を学ぶため、エルおおさか(府立労働会館)に55単組320人が集まりました。翌22日には5つの分科会を開き、185人が大阪市内のPLP会館で府内単組の取り組み報告会やグループワークを行いました。
21日の全体集会は大阪センチュリー交響楽団のオープニング・コンサートで幕を開けました。センチュリー交響楽団からは、現在、大阪の音楽文化を担う公的オーケストラが置かれている厳しい状況について話されました。
同楽団は、教育・福祉の分野での演奏会などで府民に貢献する事業を行っていますが、大阪府財政再建プログラム試案で09年度から補助金が削減され、自立を求められています。集会では公的オーケストラの意義を橋下知事に問うための支援などが呼びかけられました。
今回の大阪自治研は「新しい公共の時代における自治体労働者像を考える」をメインテーマに、記念講演では「社会保障と雇用をどう立て直すか」と題して北海道大学大学院教授の宮本太郎さんが講演しました。
宮本教授は近著「生活保障」で雇用と福祉を統合する生活保障制度充実の必要性を論じています。さまざまな提起がされ、翌日の分科会へと思いが繋げられました。
22日には、PLP会館で「自治研入門」、「市民が作るセーフティネット-大阪希望館」、「地方財政危機と自治体財政分析」、「市民自治の手法としての市民協働」、「未来に引き継ぐ暮らしと環境」の5つをテーマにした分科会を開き、報告会やグループワークで取り組みの共有と課題の抽出などをはかりました。
とくに第3分科会では、泉南市、大阪狭山市、千早赤阪村など5市で先行して行ってきた財政分析についての感想がPTメンバーから述べられ、府内の全自治体の財政分析を進めることが明らかにされました。