HOME > 府本部の取り組み > 自治労大阪連続学習会「ワークライフバランス社会の実現に向けて」
更新日:2008年9月17日
吉沢さんの講演に、耳を傾ける聴講者
自治労大阪は、2008年9月3日にPLP会館で「ワークライフバランス学習会」を開催しました。講師には吉田昌哉さん(日本労働組合総連合会、以下連合という)(註1)をお招きして、各国の取り組みと日本の現状や課題について学習しました。
吉田さんは、ご自身の海外生活の経験も交えながら、日本の未来についても幅広く話され有意義な学習会となりました。
ワークライフバランスの考え方は、1970年代に英国の女性が両立支援を提唱したことからはじまりました。日本のワークライフバランス憲章には「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域などにおいても子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方を選択・実現できる社会」と記されています。
ワークライフバランスについて講演する吉沢昌哉さん(連合 総合政策局・生活福祉局 次長)
吉田さんによれば、日本では生活へのニーズは多様化していますが労働環境は変化していないということです。年間総労働時間は2,000時間と高止まりしていて、働く女性の7割は出産を期に仕事を辞めています。この状況から50年後には、15歳以上65歳未満の人口(生産年齢人口)が激減して現役1.2人で高齢者1人を支えることが予測されています。また50歳代で4人に1人が未婚、4割の世帯が「単身子どもなし」となり出生数は50万人弱となると予想されています。
日本では政府が「仕事と生活の調和を図ることが出生率回復につながる」として少子化対策を中心にワークライフバランスの取り組みを進めています。しかし、連合の基本的な考え方には、政府のいう少子化対策だけではなく「働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)が保障されていること」「すべての労働者に等しく保障されるものであること」「子育てや介護などをささえる社会基盤が確立されていること」(註2)などの項目も含まれています。
ワークライフバランス(仕事と生活が調和されている社会)とは、「だれもが安心して働き続けることが可能になり、だれもが仕事と生活の調和が選択可能になる」社会を実現することです。連合がめざしている社会とは、「すべての働く人々がやりがいのある仕事と充実した生活との両立について、自分の意思で多様な選択が可能となる社会、それを支える政策やシステム、慣行が構築されている社会」です。
吉田さんは学習会のなかで「ぜひ、労働組合として組合員が求めているニーズを把握し、労使協議で取り組みの強化をお願いしたい」と話されました。参加者にとってはもちろん、自治労大阪としても「だれもが自分らしく働き、生活できる社会」の実現をめざして取り組むことが大切であることを、あらためて認識できた学習会となりました。