いまの社会システムは、税制や社会保障制度などを見ても、働く夫と専業主婦と子どもという日本人家族を基本モデルに創られています。ですから、その基本モデルから外れる人たちには生きにくい社会です。最近は、年齢を問わずひとり暮らし世帯が増えていますし、単親家庭、子どもを持たない夫婦、事実婚世帯、身体と心の性の違う人たち、外国籍の人たちなど、むしろ基本モデルではない家族形態のほうが多いのではないでしょうか。
男女共同参画社会とは、性別による役割分担をなくし、「男らしさ」「女らしさ」にとらわれることなく、一人ひとりの個性や能力を十分に発揮することのできる社会です。
つまり、「女性は家庭で家事・育児・介護を担い、男性は世帯主として会社で仕事をして収入を得る」、それが当たり前という考え方を改めましょうということです。
職業を選ぶときも、性別に関係なく、誰もが自分のやりたい仕事に就いて能力を発揮できるようにしましょうということです。
こういう考え方をジェンダーフリーとも表現しますが、「男女の区別をしない」という意味に誤解されて使われることがあります。
性差そのものを取り払うと解釈するのではなく、性差に囚われたものの見方・考え方から解き放たれるという意味です。
いま注目されているワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭の調和)も、男女共同参画社会を実現していくためには大切です。自分らしい生き方ができるためには、長時間労働を見直して働き方を変え、家事や家族的責任を分担し、地域活動などにも参加できる時間を手に入れることが必要だからです。
自治労大阪は、お互いの違いを認め合い、多様な個性やライフスタイルを共感を持って認め合える社会は、誰もが生きやすく暮らしやすい社会であると考えます。そういう社会の実現をめざし、労働組合・地域・職場・学校・家庭などあらゆる場で、また企画立案から実行に至るすべてのプロセスで、男女共同参画を進めていきます。